課題
問い合わせの中身を見ると、大半が同じ種類の質問でした。注文がどうなっているか。いつ届くのか。返品したい。
どれも答えは決まっているのに、人が一件ずつ返しています。セール期間には問い合わせが跳ね上がり、返信が追いつかない。本当に人が判断すべき込み入った相談まで、待ち行列の後ろに並んでしまう状態でした。
打ち手
注文・配送・返品まわりの問い合わせに自動で応答するAIを組みました。
- FAQ と商品情報を参照して回答する(社内の情報だけを根拠にする)
- 答えられない、または人が判断すべき内容は、有人対応へ引き継ぐ
- 引き継ぐときは、それまでのやりとりを担当者が読める形で渡す
設計で一番時間をかけたのは、自動応答そのものではなく引き際です。AIが無理に答えようとすると、間違った案内をして事態が悪化します。「これは人が答えるべき」と早めに判断して、担当者にきれいに渡すほうが結果的に速い。
自動化率を上げることを目的にしない。誤答が1件出るコストのほうが、自動化1件分の利益より大きい領域があります。
進め方
過去の問い合わせを分類するところから始めました。どの質問が何割を占めるのか。そのうち定型で答えられるのはどれか。ここを見ずに作ると、頻度の低い質問に手間をかけることになります。
この事例から言えること
カスタマーサポートは、AI導入の効果が数字で出やすい領域です。ただし「全部AIに任せる」を目標にすると失敗します。定型の8割を確実に処理し、残り2割を人に渡す設計のほうが、現場が安心して使えます。
【公開前に埋める】相談時の問い合わせ件数と体制/開発期間/自動応答でカバーできた割合(実数)/一次返信までの時間がどう変わったか
