
OpenAI DevDay 2026とは?新モデル・常時稼働AI・共同作業など25の発表を解説
AIテクノロジー蝦名樹読了 18分OpenAIは2026年9月29日、開発者向けイベント「DevDay 2026」で、ChatGPTやCodex、APIに関する25項目の発表を行いました。常時稼働するAI「dots」、新モデル「GPT-6.1 Sol」、人とAIが共同で資料を作る「ChatGPT Space」などが登場しています。
OpenAIは2026年9月29日、開発者向けイベント「DevDay 2026」で、ChatGPTやCodex、APIに関する25項目の発表を行いました。常時稼働するAI「dots」、新モデル「GPT-6.1 Sol」、人とAIが共同で資料を作る「ChatGPT Space」などが登場しています。
今回の発表は、AIの回答能力だけでなく、仕事を継続して進める仕組みや、チームで成果物を共有する環境まで広がっています。それぞれ何ができるのか、誰がいつから使えるのかを説明します。
dots:24時間、仕事を継続するAI
dotsは、利用者の目標や好みを把握し、継続的な仕事を引き受けるAIエージェントです。AIエージェントとは、指示に応じて必要な道具を使い、複数の作業を進めるAIのことです。
GPT-6 Astraを搭載し、専用のクラウド上のコンピューターとブラウザーを持ちます。プラグインを通じて4,000以上のアプリに接続でき、利用者が会話をしていない間も、任された仕事を進められます。
例えば、顧客の意見から不具合を見つけ、修正とテストを行い、人が確認するための変更案を用意する使い方が示されています。文章制作では、インタビューの記録から紹介文やSNS投稿を準備し、利用者の修正を次の制作に反映します。
ただし、自発的に情報を調べる「proactive research」は読み取り専用です。メール送信や外部サービスの変更などは、利用者の指示や権限、承認ルールに従って扱われます。
対象地域のProとBusiness Premiumで段階的に提供され、Enterprise・Edu・Healthcareでは管理者がベータ版を有効にできます。最初のdotはProまたはBusiness Premiumに追加料金なしで含まれますが、実作業には利用枠があり、CodexやChatGPT Workに任せる作業は通常の利用枠を消費します。
初期設定はデスクトップアプリかPCのブラウザーで行い、その後はスマートフォンからも会話できます。
GPT-6.1 Sol:Astraに近い能力を低価格で提供
GPT-6.1 Solは、GPT-6 Solを改良した新モデルです。コードを書く作業、コンピューター操作、専門的な資料の理解などを強化し、複数の評価でGPT-6 Astraに近い性能を示したとOpenAIは説明しています。
実際のコードベースで難しい開発課題に取り組む「DeepSWE v1.1」では、従来のSolの最高成績を6.4ポイント上回りました。複数段階の業務を正しく完了できるか測る「AutomationBench」では、中程度の推論設定で従来のSolを4.8ポイント上回っています。
コンピューター操作を評価する「OSWorld 2.0」のオフライン評価では、最大の推論設定で従来のSolを7ポイント上回り、Astraとの差は2.1ポイントでした。これらはOpenAIが公表した評価結果であり、実際の仕事では使う道具や設定によって結果が変わります。
標準API料金は100万トークン当たり入力2ドル、出力10ドルです。トークンは、AIが文章を処理する際の単位です。同じ内容を再利用するキャッシュ済み入力は0.10ドルで、通常の入力・出力単価はAstraの5分の1です。
9月29日からPlus・Pro・Business・Enterprise・EduのChatGPT WorkとCodex、APIで提供されています。発表時点では、通常のChatにはまだ提供されていません。
Ultrafast:AIの文章生成を高速化
Ultrafastは、応答速度を重視するための上位の処理モードです。OpenAIによると、Codexでは最大8倍、毎秒300トークンの生成速度を実現し、APIでは最大6倍の高速化を提供します。
開発中に何度もAIへ指示を出す場合や、AIが道具を使いながら作業を繰り返す場合に、待ち時間の短縮が期待できます。ただし、この数字はトークン生成の速度であり、仕事全体が同じ倍率で終わることを意味しません。
GPT-6 Astra向けは提供開始済みで、ChatGPT WorkとCodexではPro 500や対象のEnterpriseなどで利用できます。APIではultrafastを指定しますが、通常より高い料金が適用され、処理地域にも条件があります。GPT-6.1 Sol向けは今後提供される予定です。
Codex Cloud:PCを閉じても開発を続ける
Codexのクラウド開発環境が拡充されました。コードや必要な道具をクラウド側に用意し、ブラウザーやスマートフォン、デスクトップアプリから開発作業を開始・確認できます。
特徴は、開発環境を再利用できることです。リポジトリ、依存するソフトウェア、アクセス設定などを準備しておけば、次の仕事でも同じ構成を使えます。
各タスクには独立した作業環境が用意されるため、複数の修正を同時に進めやすくなります。PCがスリープしている間も作業を続け、利用者は後から変更内容やテスト結果を確認できます。
始めるには、Webかデスクトップアプリでクラウド環境を作成し、対象のリポジトリを接続します。今回の発表ではPlus・Pro・Business・Healthcare・Education・Enterpriseが対象です。
Codex CLI:音声で指示し、複数の仕事を管理
ターミナルからCodexを使う「Codex CLI」も更新されました。音声で仕事を開始したり、進行中の作業に追加の指示を出したりできます。
新しい/agents画面では、仕事の委任や複数タスクの進捗を確認しやすくなります。長い指示文の編集、以前のセッションの再開、変更を別の作業場所で進めるworktreeの操作も改善されました。
今回の更新は全プラン向けです。新しい画面や操作を使うには、利用しているCLIの更新状況を確認する必要があります。
Code Review:変更点を読み、問題を調べる
デスクトップアプリのCode Reviewでは、コードの変更内容やコメント、チェック結果をまとめて確認できます。AIが書いたコードを採用する前に、何が変わったのか、問題がないかを調べるための機能です。
変更箇所を比較する「差分」を読みながらCodexに質問し、レビューの意見を準備できます。GitHubのプルリクエストに対応し、GitLabのマージリクエストへの対応はプレビューです。
自動レビューを設定すれば、利用者が離れている間にクラウド上で最初の確認を進められます。今回の発表では全プランが対象ですが、接続するサービスや自動レビューにはそれぞれ設定が必要です。
Codex Security Cloud:脆弱性の調査から修正案まで
Codex Security Cloudは、ソフトウェアの弱点である「脆弱性」をクラウドで調査する機能です。接続したGitHubリポジトリを検査し、コードの構造や想定される攻撃を踏まえて問題を探します。
見つかった候補を調べ、重複や誤検知を減らし、確認用の根拠や修正案を用意します。定期的な検査や新しいコミットの確認にも対応し、PCを閉じていても作業を続けられます。
Pro・Business・Enterprise・Edu向けに研究プレビューとして提供されます。まずCodex Cloudで対象のGitHubリポジトリを接続し、検査する環境を準備します。
Decisions API:決められた選択肢から素早く判断
Decisions APIは、Lunaを使って、あらかじめ決めた回答候補から判断を返すAPIです。開発者が質問と選択肢を定義し、文章や画像を渡します。
例えば、問い合わせの分類、担当部署への振り分け、AIエージェントが次に行う操作の選択などに使えます。自由な文章を長く生成する必要がない、繰り返し発生する判断が主な用途です。
9月29日時点では限定プレビューで、今後数日中に広い提供が予定されています。発表の公式一覧では、具体的な料金や共通の性能評価は示されていません。
Agents API:画面を操作するAIをアプリに組み込む
Agents APIに、ブラウザーの画面を操作するcomputer useが追加されました。開発者は、自社のアプリからWebサイトや業務ソフトを操作するAIを作れます。
例えば、Webサイトの動作確認や、画面を通じた情報収集などに利用できます。画面操作には、利用するサイトへのアクセスやログインを適切に設定する必要があります。
Agents APIは、作業の継続状態や複数AIの協調、長くなった会話の整理などを管理する仕組みです。今回の更新は、この既存の基盤に画面操作を加えるものです。
料金は選んだモデルのAPI料金に加え、使う道具やOpenAIが提供する実行環境の料金に従います。開発者が基盤全体を一から構築する負担を減らし、アプリ固有の機能に集中しやすくします。
Bedrock Managed Agents:AWS上でOpenAIのエージェントを動かす
Amazonとの連携では、Agents APIの中核機能をAWS向けに組み込んだ「Bedrock Managed Agents」が紹介されました。OpenAIのエージェントを動かす仕組みとモデルの処理を、Amazon Bedrock上で実行します。
すでにAWSを使っている企業にとっては、既存のクラウド環境やアクセス管理と合わせて導入しやすくなります。命令や道具の実行には、Amazon Bedrock AgentCore Runtimeなどを使います。
OpenAIのAgents APIと基本的な考え方は共通ですが、接続先、認証方法、対応機能は同一ではありません。実装時には、AWS側の提供条件とAPI仕様を確認する必要があります。
Private Intelligence:企業のデータを保護する仕組み
Private Intelligenceは、企業が高度なAIを使う際のデータ保護を強化する取り組みです。その一つが「Zero Data Retention with Private Safety Processing」です。
これは、OpenAIが利用者の入力や出力を保持しない条件を維持しながら、自動的な安全性の確認を行う仕組みです。必要な記録は顧客側が管理する保存先で保護され、OpenAIの担当者が本文を読むための経路を作らない設計になっています。
さらに、処理中の情報を保護する機密計算と、検証可能な管理を組み合わせる「Private Inference」のプレビューが今秋に予定されています。企業向けの取り組みで、導入条件は個別の問い合わせになります。
Plugin extensions:ChatGPTの中に専用アプリを作る
Plugin extensionsでは、外部サービスの機能をChatGPTの画面に深く組み込めます。サイドバーから開くアプリ、会話の隣に表示する操作パネル、専用のファイル閲覧・編集画面などを開発できます。
例えば、デザインを見ながらChatGPTに修正を頼んだり、サービス固有のファイルを専用画面で確認したりする体験を作れます。会話と実際の操作を同じ場所で進めやすくなる点が特徴です。
開発者はMCPに対応したサーバーやSDKを使って機能を組み込み、接続テストと配布準備を行います。公式ドキュメントでは、FreeとGoのWeb向け拡張は今後提供予定、入力欄でのコンテンツ指定機能はデスクトップ限定とされています。
プラグインの作成・審査・発見も改善
プラグインを作る「Plugin Creator」と、提出後の確認手順も改善されました。開発者はプラグインをZIP形式で提出し、自動チェックで示された問題を修正して審査へ進めます。
審査に通った後は、開発者が公開するタイミングを選べます。対応するサーバー側の更新は自動チェックを通じて反映されますが、プラグインの説明やスキルなどを変更する場合は、新しいパッケージの提出が必要です。
利用者側では、ディレクトリの順位付けや会話中のおすすめが改善されます。開発支援から公開、利用者への発見までを整える更新です。
Sites:作ったWebアプリにプラグインを接続
ChatGPTで作るWebサイトやアプリ「Sites」に、対応するプラグインを組み込めるようになりました。
例えば、社内の確認画面から、利用者が接続したアプリの情報を表示する使い方が考えられます。閲覧者は自分のChatGPTアカウントでログインし、使う接続先と許可するアクセスを選びます。
サイトを共有しても、作成者の外部アカウントへのアクセス権がそのまま渡されるわけではありません。各利用者の権限で同じアプリを使える仕組みです。
今回の連携機能はBusiness・Enterprise・Healthcare・Eduが対象です。自動処理の追加や管理も改善され、共有情報を更新する用途に広がります。
MCP Events:出来事をきっかけにAIが動く
MCP Eventsは、接続したアプリで何かが起きたときに、ChatGPTの処理を開始する仕組みです。MCPは、AIと外部の道具やデータを接続するための規格です。
利用者が「何を監視し、届いたら何をするか」を指定します。例えば、新しい不具合報告が届いたら修正案を用意する、文書にコメントが付いたら内容を確認する、といった流れを作れます。
開発者側では、イベントの購読と通知に対応したMCPサーバーが必要です。ChatGPTが通知先を渡し、サーバーが該当する出来事を通知すると、登録した指示に沿って処理が進みます。
今回の発表では全プランが対象ですが、接続するプラグイン側の対応が必要です。
ChatGPT Space:人とAIの仕事を共有する場所
ChatGPT Spaceは、ページやファイル、共有する仕事をまとめるための場所です。プロジェクトやチームごとに資料を集め、人とChatGPTが同じ情報を使って作業できます。
例えば、企画書、調査資料、会議の記録を一つのSpaceにまとめ、そこから提案書や進捗報告を作れます。資料を会話のたびに探し直す手間を減らし、継続する仕事の文脈を保ちやすくします。
Pro・Business・Enterprise向けにWebとデスクトップアプリで提供されます。モバイルではページの検索・閲覧・共有に対応し、作成と編集は今後提供される予定です。
Pages:AIと一緒に更新する文書
Pagesは、ChatGPTや共同作業者と編集できる文書です。文章に加えて、表、画像、添付ファイル、関連ページ、インタラクティブな表示などを組み合わせられます。
既存の会話からページを作ることもでき、完成した内容を継続的な資料として残せます。企画書や調査レポートを作り、その一部についてAIに修正を頼む使い方に向いています。
Spaceの「New page」から作成するか、会話でページ作成を依頼して始めます。Pro・Business・Enterpriseが対象です。
共同編集スライド:複数の人とAIで資料を作る
共同編集スライドでは、会話や自分のテンプレートからプレゼン資料を作り、複数の人とAIが同時に編集できます。コメントを付けながら、資料の内容を調整することもできます。
ChatGPT内で発表するほか、書式を保ったPowerPointやGoogle Slidesへの出力が予定されています。Pro・Business・Enterprise向けに、今後数週間で提供される予定です。
TeamsとTeam Tasks:チーム全体の定期作業を任せる
ChatGPT内にチームを作り、ページやスライド、プラグインなどを共有できるようになります。さらに「Team Tasks」で、定期的な仕事や出来事に反応する仕事を設定できます。
例えば、毎週の進捗報告を作る、更新されたプロジェクト情報を整理する、といった用途です。メンバーは、優先順位に合わせて作業の指示を調整できます。
外部サービスとの接続には、チーム用のサービスアカウントや許可された接続先を使います。Business・Enterprise向けで、管理者がチームや自動処理を作成できる人を制御します。
Slack・Microsoft Teams:会話の場所から仕事を依頼
SlackやMicrosoft Teamsでは、対応するチャンネル、スレッド、DMで@ChatGPTに依頼できます。情報の要約や返信文の準備、許可された道具を使った作業を、普段のチーム会話から始められます。
同じ会話の中で、ほかのメンバーが情報を追加し、結果を調整できます。組織が用意した利用環境では、参加者全員に個別のChatGPTライセンスを用意しなくても共同作業に参加できます。
Business・Enterpriseが対象で、管理者による設定が必要です。使用できるデータは設定された接続と権限に従い、個人の非公開データへ自動的にアクセスできるわけではありません。
Meetings:議事録から次の作業につなげる
Meetingsプラグインは、会議の記録を取り、個人向けの要約や対応事項をChatGPT Spaceに保存します。オンライン会議だけでなく、対面の会話にも使えます。
保存した内容から、プロジェクト計画の更新や、会議後の連絡文の準備を依頼できます。議事録を残すだけでなく、次の作業の材料として使えることが特徴です。
macOS版デスクトップアプリで、Pro・Business向けにベータ提供されます。プラグインをインストールして音声へのアクセスを許可し、参加者の同意を得て記録を開始します。
音声はノートの準備後に削除され、再生用の録音としては残りません。Enterpriseは一部顧客での試験段階で、ほかのOSへの対応も今後予定されています。
共有プロフィール:作ったSitesを紹介する
共有プロフィールでは、名前や自己紹介、選んだSitesなどを一つの画面にまとめられます。ChatGPTで作った作品や道具を紹介するための場所です。
プロフィールは非公開のまま使うこともでき、公開する場合も会話のタイトルや本文は表示されません。Sitesを紹介欄に追加しても、そのサイトのアクセス権限は変わりません。
Webとデスクトップで共有やSitesの追加に対応し、モバイルでは紹介欄を利用できません。公式ヘルプでは、Enterprise向けの共有プロフィールは今後提供予定とされています。
Sign in with ChatGPT:外部アプリでも契約の利用枠を使う
Sign in with ChatGPTでは、ChatGPTのアカウントで対応する外部サービスへログインできます。さらに、対象のPlus・Pro利用者は、外部アプリのAI処理にChatGPTの利用枠を使えます。
今回の発表ではDevin、Notion、Vercel、T3、OpenClawなど16のパートナーが紹介されています。対応アプリでログインした後、そのアプリに利用枠を使わせるかを別途選びます。
APIキーを作って渡す必要はなく、アプリごとの週間利用上限も設定できます。ただし、外部アプリで行う対象のAI処理もChatGPT Work・Codexの利用枠を消費します。
また、ChatGPTの利用枠を使えても、そのサービス自体の月額料金や機能料金が無料になるわけではありません。ログインだけに対応するサービスと、AIの利用枠まで使えるサービスを分けて確認する必要があります。
Pro 500:月額500ドルの上位プラン
新しいPro 500は、月額500ドルの個人向けプランです。OpenAIは、Plusの25倍の利用枠とUltrafastへのアクセスを提供すると説明しています。
大量の開発作業や、長時間のAIによる処理を行い、速度も重視する利用者向けです。Pro 100やPro 200には、Ultrafastは含まれません。
Pro 200の新規契約も再開されていますが、新しい利用枠は以前より少なくなります。対象の既存契約者は2026年10月29日まで以前の枠を維持し、その後は新しい枠へ移行するため、既存利用者にも関係する変更です。
OpenAI Marketplace:企業の契約予算を外部ソフトにも使う
OpenAI Marketplaceでは、対象の企業顧客が、OpenAIとの契約で確保した支出枠の一部を、承認されたパートナーのソフトウェアに充てられます。
最初のパートナーは32社で、FigmaやAdobe、Salesforce、ServiceNow、法務向けのHarveyやLegora、セキュリティ向けのCrowdStrikeなどが含まれます。
企業にとっては、AIや関連する業務ツールを購入する予算の使い方を柔軟にする仕組みです。一般ユーザーが使うプラグインの一覧とは別の企業向け制度で、利用を希望する企業は購入相談を申し込みます。



