papyrusAI

03

Muse Wonderとは?記憶と粘り強さを強化したMetaの新AI

AI蝦名樹読了 4分

Metaは2026年10月12日、新しいAIモデル「Muse Wonder」と「Muse Wonder Full」を発表しました。会話をまたいで必要な情報を覚え、途中で問題が起きても作業を続ける能力を強化した、個人向け・仕事向けのAIエージェントを支えるモデルです。

マカセタ

Metaは2026年10月12日、新しいAIモデル「Muse Wonder」と「Muse Wonder Full」を発表しました。会話をまたいで必要な情報を覚え、途中で問題が起きても作業を続ける能力を強化した、個人向け・仕事向けのAIエージェントを支えるモデルです。

通常版は開発者向けAPIと開発ツール「Muse Code」で提供が始まり、上位版のFullはMuse Codeの対象有料プランで利用できます。

何が新しくできるのか

今回の中心は、複数の手順が必要な仕事を、時間をかけて進める能力です。Metaは用途として、保険請求の手続き支援、賃貸契約書の理解、財務情報の整理、アプリやゲームの開発などを挙げています。

Gugen研究所

開発では、大きなソフトウェアの中で複数のファイルを変更し、動作確認や修正を繰り返せます。作業を計画し、別のAIに一部を分担させ、複数の道具を並行して使うことも想定されています。

また、ブラウザーやパソコン、スマートフォンの画面を見て操作するエージェントにも利用できます。ただし、モデル単体であらゆるアプリを動かせるわけではなく、操作用の道具や実行環境との接続が必要です。

過去の会話を生かす「Active Memory」

「Active Memory」は、以前の会話で伝えた重要な情報を保持し、今の作業に関係する内容を取り出す能力です。

例えば、過去に伝えた予定や好み、プロジェクトの条件を、その後の相談に生かすことを目指しています。情報を保存するだけでなく、「今回の依頼には、以前のどの情報が必要か」を判断する点が特徴です。

もう一つの「Active Focus」は、難しい作業に取り組み続ける能力です。うまくいかない場合に別の方法を試し、エラーから復帰し、新しい情報に合わせて進め方を変えます。必要な確認を取り、重要な行動の前には利用者に確認するよう設計されています。

長時間の開発で高いスコア

Metaが公開した性能表では、長い工程を伴うソフトウェア開発を測る「DeepSWE 1.1」で、Muse Wonder Fullは79.0、通常版は78.8でした。比較対象のGPT-6 Astraは74.1、Claude Opus 5.5は74.2です。

さらに、より長時間の開発作業を評価する「SWE-Marathon」では、Fullが57.5、通常版が53.1、GPT-6 Astraが42.5、Claude Opus 5.5が46.3でした。

これらは、短いコードを生成する能力だけでなく、変更・テスト・修正を重ねて開発を進める能力を示す結果です。ただし、SWE-Marathonでは各モデルが使う開発ツールや実行条件が異なるため、数字の差をそのままモデル単体の性能差とは見なせません。

総合的な能力を測る「Artificial Analysis Index」では、Fullが56、通常版が52でした。GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1は53、Claude Opus 5.5は58で、すべての評価でMuse Wonderが上回っているわけではありません。

画像・音声・動画も理解する

公式モデルカードによると、入力は文章、画像、動画、音声に対応し、出力は文章です。資料や画面の画像などを読み取り、文章と組み合わせて考える用途に使えます。

一度に扱える情報量は最大100万トークンです。トークンはAIが文章などを処理する際の単位で、大量の資料やコードをまとめて扱う余地があります。

ただし、Metaは視覚・空間の理解、特に3Dに関する課題を既知の制約として挙げています。公式に3Dゲーム制作の実演はありますが、どんな3D開発でも正確に完成できることが保証されたわけではありません。

使い方と料金

通常版はMetaの開発者サイトから、試用画面やMeta Model APIで利用できます。APIのモデル名は「muse-wonder-1.0」です。

料金は100万トークン当たり、入力4ドル、再利用される入力のキャッシュが0.20ドル、出力20ドルです。0.20ドルは通常の入力料金ではなく、キャッシュを利用する場合の料金です。

FullはMuse Codeの月額50ドル「Power Usage」と、月額200ドル「Maximum Usage」で提供されています。発表時点では、Fullのトークン単位のAPI料金は掲載されていません。

一般向けAIエージェント「Muse」への導入も予定されており、有料利用者から順に展開されます。ただし、今回のモデル提供開始と、Museアプリへの導入は別です。アプリへの具体的な導入日は、公式発表では示されていません。

マカセタ

記事の一覧へ