
Eleven v4とは? 感情表現と応答速度が進化した音声生成AI
AIテクノロジー蝦名樹読了 5分ElevenLabsは2026年9月28日、新しい音声生成AI「Eleven v4」と、リアルタイムの会話に向けた「Eleven v4 Turbo」を公開しました。文章から声を作るAIで、感情の表現、話し手の声の再現性、応答速度が改善されています。
ElevenLabsは2026年9月28日、新しい音声生成AI「Eleven v4」と、リアルタイムの会話に向けた「Eleven v4 Turbo」を公開しました。文章から声を作るAIで、感情の表現、話し手の声の再現性、応答速度が改善されています。
動画のナレーションやゲームのセリフを作る用途から、その場で返事をするAIとの会話まで、用途に合わせて2つのモデルを選べます。
文章の意味に合わせて、声を演じ分ける
Eleven v4の特徴は、文章の内容や場面に合わせて、声の調子、話す速さ、感情を表現できることです。
例えば、同じ「落ち着いて」という言葉でも、相手を安心させる場面と、危険を知らせる場面では話し方が変わります。今回のモデルは、こうした文脈の違いを音声に反映するよう設計されています。
台本には、笑う、ささやくといった演技の指示も書き込めます。感情だけでなく、話すテンポや反応、効果音なども指定できるため、制作者が求める表現に近づけやすくなっています。
複数人の会話では、直前の発言を踏まえた受け答えも改善されています。ゲームやアニメの掛け合いなど、登場人物同士の関係が声に表れる場面で役立つ進歩です。
音声の比較評価で高い支持
ElevenLabsによると、Eleven v4は公開時点で、第三者評価機関Artificial Analysisの「Provider Voice Arena」で1位を獲得しました。利用者が音声を聴き比べて評価する仕組みで、同機関の掲載スコアはEloで約1,319です。
Eloは、比較でどれだけ選ばれたかを基にした相対的な評価値です。正答率ではなく、聞き手からの支持の強さを表します。
同社が別途公表した、モデル名を伏せて同じ文章を聴き比べるテストでも、Eleven v4は約75%の支持を得たとしています。比較対象にはCartesia Sonic 3.6、Inworld TTS-2、GoogleのGemini 3.8系音声モデルが含まれます。
このテストは表現力と自然さを評価したもので、引き分けは半分として集計されています。あらゆる言語や用途での優位を保証する数字ではありませんが、声の聞こえ方が評価されていることを示します。
Turboは約0.15秒で音声が出始める
会話向けのEleven v4 Turboでは、同社の測定で、音声が出始めるまでの時間の中央値が約150ミリ秒、つまり約0.15秒でした。モデルの推論処理の遅延は、中央値で約100ミリ秒とされています。
この2つは異なる指標です。また、測定ではネットワーク遅延が除かれているため、実際のサービスでは通信や返答を考えるAIの処理時間も加わります。
重要なのは、短い待ち時間と豊かな感情表現を組み合わせた点です。問い合わせに答える音声AIや、プレイヤーに話しかけるゲームキャラクターでも、会話の流れを保ちながら表情のある声を返しやすくなります。
90以上の言語と、長い文章に対応
対応言語は、従来のEleven v3の70以上から90以上へ広がりました。日本語にも対応しています。
Eleven v4が1回に扱える文章量も、v3の5,000文字から10,000文字へ増えました。さらに、長い文章を読み上げるときや、一部のセリフを作り直すときに、同じ話し手の声を保つ能力が改善されています。
オーディオブックや長編動画では、途中で声の印象が変わると違和感につながります。声の一貫性は、短い音声サンプルの自然さとは別に、実際の制作で重要になる性能です。
録音から声を再現する機能も進化しています。同社によると、Instant Voice Cloningでは10秒の音声から声を再現でき、より高い再現性を目指すProfessional Voice Cloningにも対応します。
誰が使える? 使い方と料金
両モデルは発表当日から提供されています。一般ユーザーは制作サービスのElevenCreative、音声AIを作る企業や開発者はElevenAgentsやElevenAPIを通じて利用できます。
ナレーションを作る場合は、アカウントを作成し、音声生成画面でモデルと声を選び、読み上げたい文章を入力します。アプリやゲームへの組み込みにはAPIを使います。
無料プランには月10,000クレジットが付属します。有料のStarterは月額6ドルで、商用利用とInstant Voice Cloningに対応します。Professional Voice Cloningを含むCreatorは通常月額22ドルで、初月は11ドルです。料金はいずれも税別です。
公開記念として、最初の2週間はAPI料金が100万文字あたりEleven v4は22ドル、Eleven v4 Turboは11ドルに割り引かれます。これは入力文章の文字数を基準にした料金です。
また、Creator以上のプランでは、ウェブ版・モバイル版でEleven v4を試す際、月間の音声生成クレジットの2倍相当まで残高を消費しないキャンペーンも実施されています。


